EXPERIENCES

Elegant spaces

敷地の入り口に位置する茅葺きの長屋門と数寄屋造りの建物は、歴史的・美術的な価値が評価され、国の有形文化財に指定されました。

全室が茶室となるように設計された集合茶亭は、随所に工夫が凝らされ、それぞれに異なる天井や、京都の伝統に準えて低く抑えた鴨居など、意匠への拘りが見られます。
この数寄屋造りを特徴づける素材の一つとして、窓やガラス戸に贅沢に用いられている吹きガラスがあります。数寄屋造りは本来、木と草と土から作られていますが、この建物では鉱物質であるガラスを贅沢に多用することで、低い天井や鴨居でも外の庭への広がりを感じさせ、ガラスが効果的に自然に溶け込んでいます。

また、ラウンジ「昭和の間」は、数寄屋造りにはない天井の中央が持ち上がったヨーロッパのドームのような造りです。さらに檜のへぎ板を編んだ網代で造り上げることで、空間に軽やかさを演出しています。通常、網代天井はごく小さな面積にしか使用されないため、これほど大きな規模のものは類を見ず、また現代の技術ではこれほど巧みに作ることはできないと言われています。洋間でありながら伝統的な和の技術を施した空間です。

京都より移築された三畳台目の茶室は、二方向に庇を差し掛け貴人口と躙口が設けられています。壁面の様々な高さに大きさの異なる窓が配され、障子越しの柔らかな光が室内に落ちてきます。

窓用の吹きガラスや大規模な網代天井。現在の技術では真似できない貴重な建材や技術が詰まった沼津倶楽部は、まさしく遊び心と贅を尽くした空間なのです。

EXPERIENCES

Nature of Numazu

生い茂る松原、そして日本一高い山と日本一深い海。富士山と駿河湾の6,000m以上の高低差と千本松原の常緑が作り出す鮮やかなコントラストは、古くから多くの文人たちを魅了してきました。

伊豆半島の付け根に位置する沼津は、豊かな土壌が生み出す水や緑に恵まれています。市街地を流れる狩野川はその水質の素晴らしさで知られ、また各所に湧き出る地下水は、 山々に降った雨や雪が大地に染み込み、美しい湧水として磨かれ地上に現れたものです。
さらに今から60万年前に誕生したと言われる最深部2,500mの日本一深い駿河湾は、栄養に富み、新鮮な海の恵みを育みます。

沼津倶楽部が一角を占める千本松原は「日本百景」にも選ばれた景勝地。松ばかりが砂の上に並ぶ、いわゆる白砂青松の明るくきれいな姿とは異なり、そびえ立った松の下草として見事な雑木林が生い茂げ、さながら森林を思わせる類まれな松林です。その木の茂みや木の実に様々な野鳥たちが集まり、豊かな光景を生み出しています。

壮大な山々と、目の前に広がる海や川、松林を通じて沼津の魅力を体感していただけます。

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Neighborhood

近隣情報

多くの文人たちを魅了した千本松原に位置する沼津倶楽部の周辺には、沼津にゆかりのある歌人や作家の文学碑や記念館が多く存在します。また、山と海に囲まれた自然豊かな沼津ならではの名勝が点在しています。

  • 1千本松原・千本浜公園
    千本松原として親しまれる沼津屈指の景勝地。その東端は千本浜公園として親しまれています。(徒歩10分)
    • 2井上靖文学碑
      青春時代を沼津で過ごした井上靖は、小説「あすなろ物語」「夏草冬濤」で沼津のことを詳しく書いています。(徒歩8分)
      • 3若山牧水記念館
        旅と酒を愛し、生涯に八千数百首あまりの歌を詠んだ牧水は、大正9年(1920年)の夏から沼津で暮らしました。牧水の詳細な足跡と業績の数々を集めて展示しています。(徒歩2分)
        • 4沼津市庄司美術館
          沼津市で生涯を終えた国際版画家・山口の作品や、元沼津市長・故庄司辰雄氏が収集し寄贈した作品のほか、地域で活躍する作家の作品を展示しています。(徒歩13分)
          • 5沼津港
            沼津港で水揚げされた新鮮な魚介類を使った海鮮丼などを楽しめる飲食店が立ち並びます。北に富士山、南に駿河湾が広がる伊豆半島の玄関口となる港です。(徒歩15分)
  • 6我入道の渡し船
    かつて庶民の足として身近な交通機関であった渡し船は、沼津市内を流れる狩野川でも利用されていました。昭和46年に廃止となっていましたが、平成9年に復活。情緒たっぷりな和船に乗りながら、富士山の絶景を眺められます。(徒歩15分)
    • 7沼津深海水族館
      深海生物をテーマにした世界初の水族館。「生きた化石」と言われるシーラカンスの冷凍標本を世界で唯一展示します。(徒歩14分)
      • 8沼津港航路水門びゅうお
        東海地震の津波対策の一環として作られた大型水門。8年の歳月をかけて平成16年に完成。展望階が設けられており、地上約30mの高さから360度の大パノラマを楽しめます。(徒歩20分)
        • 9沼津御用邸記念公園
          明治26年、大正天皇(当時皇太子)のご静養先として造営され、大正、昭和と3代でご利用されました。戦後は都市公園として一般公開され、歴史的・文化的価値を見出され、国の名勝指定も受けています。(車15分)
          • 10御用邸内茶室 駿河待庵
            苑内の公共茶室「翠松亭」にある「駿河待庵」は、千利休作と伝えられる、京都大山崎の国宝茶室「待庵」を忠実に写したと言われています。(車15分)